Not(HTML+CSS+Javascript === Web_Design)
巷には、山ほどWebデザインに関する書籍が溢れかえっている。だが、内容的にはHTML+CSSがほとんどである。たまに、JQueryやJavascriptが加えられている。果たして、これのどこがWebデザインなのだろうと思う。職業的に言えば、Web制作であり、それに携わるコーダー(マークアップエンジニアというそうだ)になる。マークアップエンジニアというのは、基本的にWebページのデザインおよび仕様書に従って、HTMLおよびCSSとでページを作り上げていく人のことをいう。
本のタイトルを変えていただきたいのであるが、まあ、変えることはしないだろう。なぜなら、そのほうが売れるからである。マークアップエンジニア入門とタイトルをつけても、?となるのがオチだからだ。理解しているとは思うが、HTML、CSSでWebページを作れるようになったからと言ってWebデザインではないということだ。
Webデザインとは、基本的にコンセプトに合わせて、配色、レイアウト、フォントといった要素を適切に考え、Webページをデザインしていくことを言うのである。クライアントが企業であれば、企業のことを調べ最適な選択をすることも考える。あながち、色だけに気を向けがちであるが、そうではなくレイアウトも重要であり、メッセージを伝えるためにもフォントも重要なポイントになる。
デザインも昔と較べると大きく様変わりしてきた。古典的なデザインから雑誌の紙面のようなデザイン、ポスターやパンフレットのようなデザイン、そして動的になってきており、よりデザインが重要なものになってきている。
Webデザイナーを目指すのであれば、HTMLやCSSを先に学ぶより、先にデザインについて学ぶべきだろう。コーダーとして目指す方もデザインについては、ある程度理解しておいた方がCSSによる指定でも役に立つ。デザインの勉強で、一番いいのはグラフィックデザインである。グラフィックデザインってわからない方のために、ウィキペディアから引用したもののせておく。
主として平面の上に表示される文字や画像、配色などを使用し、情報やメッセージを伝達する手段として制作されたデザインのこと。ポスター、雑誌広告、新聞広告、映画・コンサート・演劇・展覧会等のフライヤー(チラシ)、商品のパッケージデザイン、ロゴタイプ(ロゴマーク)など、多岐にわたる。近年では、コンピュータ上で表示されるインタラクティブデザイン、モーショングラフィック、ウェブデザインの中においても、写真や文字のデザイン、配置や配色、アイコン設計などを含むことがある。
Wikipedia グラフィックデザイン より引用
フリーランスの方で、Webページのデザインから、制作、納品までする人はいる。尊敬する。失礼なことを言わせていただくと、果たしてどこまでデザインについて理解しているのだろうかと思う。顧客からの要望で、このサイトのようにしてくれといわれたので作りました、としていないだろうか。仕事をもらってるのだからしかたがないのだろうが…。
悪いとまではいわない。が、やはり本質的に違うのである。おなじように依頼されても、デザイナーであればより良い方向でクライアントに提案してくだろう。デザインというものを、きちんと理解して制作していくのと、このサイトのようにしてくれといわれて制作するのとでは、同じデザインをしたとしても、完成品をみたとき、違うよね、となるのである。
言っておくが、前述のやり方がダメだというわけではない。スキル向上を図り、自分の価値を上げるなら、デザインを浅く学習するのではなく、もっと深く学習する。そういったことも必要だろうということなのである。
最後に、デザインを勉強するのに、良い3冊の本を紹介しておこう。基本的なことが学べる参考書である。
- レイアウト、基本の「き」(佐藤直樹+ASYL著 グラフィック社 ISBN978-4-7661-2368-5)
- デザインのルール、レイアウトのセオリー。(エムディエヌコーポーレーション ISBN978-4-8443-6130-5)
- タイポグラフィの基本ルール(大崎善治著 ソフトバンククリエイティブ ISBN978-4-7973-5922-0)