世の中には、過去を含めるとさまざまなOSが存在するが、ユーザーにとってOSは、Windows、MacOS、Linux/Unixがある。Unixは一般的なユーザーが使用していることはないと思われる。したがって、Windows、MacOS、Linuxが一般的だろう。どのOSを使用するかはユーザーの好みであり、どれがいいかどうかという議論をする気はない。

ここでは、デスクトップ志向のLinuxであるLinux mintを例に、他のOSであるWindows、MacOSとプログラミング開発、デザイン、ゲームのカテゴリーで比較してみることにしよう。

プログラミング開発

結論からいえばほぼ差はない。ただし、C#やC/C++によるデスクトップアプリ開発については、Linuxは不利である。C#についていえば、Monoがあり、GUIとしてMono Developperがあるが、Visual Studioと比較すると難しいといえる。Linux mintでデスクトップアプリ開発では、いくつかあるが代表的なものとしてPythonのTKやPySimpleGui、Lazarusによる開発になる。PythonによるGUI開発は、Visual Studioのようなものではなくコードによる記述となる。LazarusではVisual Studioと同じ開発となっている。ただし、使用する言語はObject Pascalである。

Web制作・開発や汎用系では、Visual Studio Codeをメインのエディタとして、WindowsやMacOSと同じようにさまざまな開発に対応している。WindowsやMacで使用できるAtomやSublimetext、Eclipseといった開発ツールもLinux版が存在している。開発環境では遜色ないと言えるだろう。

デザイン

残念ながらWindows、MacOSが有利である。デザインツールとして、もはやデファクト・スタンダードとなっているPhotoshop、Illustrator、XDはLinuxには存在していない。代替としてはGimp、Inkscapeがある。機能的には遜色はないが残念ながら少々難しい面がある。XDについては、代替としてFigmaがある。利用している海外のユーザーも多く、XDの代わりとしてこちらが利用できるだろう。ただし、英語なのでその点は考慮する必要がある。いずれにせよLinuxにはもっとも優位性の低いものである。

ゲーム

個人的にゲームはコンソール機でやるのが一番いいと考えている筆者ではある。結論としては、Windowsのほうが優位性が高い。ゲーム開発会社も徐々にコンソール機に移行してきているとはいえ、Windowsで発売されるゲームはLinux・Macよりも多い。というよりほとんどである。ただ、LinuxでもSteamをとおしてゲームをプレイできるようになってきている。Steam Playを利用してWindows対応のゲームを動作させることができるらしいが試していないのでわからない。いずれにしてもこれからといったところである。

その他 オフィス

よくWindowsとLinuxを比較したときに、Microsoft Office365が動かないということが挙げられる。もはや昔の話である。もちろんMicrosoft Office365は動かないが、オンライン版のOffice365があり、LibreOfficeなどがある。LibreOfficeは、WordやPowerPointで作成された文書ファイルを読み込むと、よくレイアウトが崩れるとか、VBAマクロが動かないということがあったが、よほど凝りに凝りまくったものでない限りレイアウトが崩れることはない。ビジネス文書では、そんな凝りに凝りまくった文書ファイルは存在しないといってよい。

マクロについていえば、LibreOffice CalcでExcel VBAを動作させることができるようになっているので、VBAマクロが動かないということはないはずである。ただ、問題は、WindowsとLinuxのフォントの違いである。メイリオ、游明朝やゴシックなど、Linuxではインストールされていないので、場合によっては見栄えがことなる。これはいたしかたないであろう。ただ、WindowsのフォントをLinuxへインストールする方法はあるので、興味がある方は試していただきたい。

最後に

最初に申し上げたように、どちらが優れているかということは議論しない。不毛で最もどうでもいい議論だからだ。それぞれのOSには良い点、悪い点がある。優劣を決められるものではない。それを理解した上で利用するとよいだろう。あえていわせて頂ければ、Linuxはスペックの低いPCを再利用できる唯一のOSであるということである。