Hello world!

タイトルのとおり、「Hello world」と表示するコードは、新しくプログラミング言語を始めたばかりの初学者が最初に記述するコードだ。このコードは、1978年に出版されたブライアン・カーニハンとデニス・リッチの著書「プログラミング言語C」が最初だといわれている。その後は多くの言語において、最初に記述するコードとして紹介されるようになった。

さて、「Hello world」を表示するコードを書いてみよう。

C

include <stdio.h>

main() {
    printf("Hello world.\n");
}

Python

print('Hello world.')

Java

class Helloworld {
	public static void main(String[] args) {
		System.out.println("Hello, world.");
	}
}

実にシンプルなコードと言える。だが、多くの初学者がここで終わってしまう。実際はこれで終わりではないのである。「Hello world」を表示するやり方はいくつかあるということを紹介しよう。

使用するプログラミング言語は、みんな大好きPythonだ。

直接print文で表示

print('Hello world')

変数に入れてprint文で表示

s = 'Hello world'
print(s)

変数に代入した文字列をfor文を使ってprint文で表示

s = 'Hello world'

for i in range(len(s)):
    print(s[i], end='')
print()

最後の方法は少し解説が必要だろう。実は文字列は配列として扱われている。これはPythonだけではなく、C/C++やPHP、Pascalといった言語でも同じである。for文を使って表示することができるわけだ。だが、そのままprint文で表示させてしまうと、縦書きみたいに表示してしまうので、end=”として改行コードを表示しないようにしている。最後は空のprint文で改行する。

以上で「Hello world」を表示させるのに、いくつか方法があることがわかっただろう。上記以外にもいくつか方法あるが、重箱の隅をつつくし、変態的なコードになるので割愛しておく。

前述したように、他の方法はないのかと考え、コードを記述する。回り道になるかもしれないが、新しい発見は知的好奇心を満たし、プログラミングが楽しくなってくるのである。

単にひとつのやり方だけを知って、それで終わりにするのは、例えば、「先生にこうしたほうがもっと良くなると思うよ」と言われて、「はい、そうします」と答えてそれで終わってしまうのと同じなのである。そこから、教えてもらったことをベースにして、方法を考えて実践していき、自分なりに工夫を加えていくのがスキルの向上になるのである。最初は難しいかもしれないが、同じ処理でも、人それぞれやり方が異なるように、自分にあったコーディングスタイルを見つけていくことも、コーディングスキルを高める良い方法だろう。

たかが「Hello world」されど「Hello world」なのである。