Webデザイン環境
Webデザイン環境(デザイン含む)について述べる。プロではないので、間違っている部分もあるかもしれないが、少しの期間、デザインについて学習したことがあるので、その経験から述べてみる。環境についてなので、学習方法などについては述べない。
さて、Webデザイン環境とは何だろうと思うかもしれないが、ハードウェアのことである。よくWebデザインに必要なもののひとつにPCをあげることが多い。もちろん間違いではない。ただ、重要なのはPCの性能ではなく、ディスプレイと照明なのである。PCの性能について言えば、PhotoshopやIllustratorといったソフトがもたつくことなく動作すれば、デスクトップPCだろうがノートPCだろうがどちらでもよい。お金をかけるのはディスプレイと照明である。
では、なぜディスプレイと照明なのか。簡単に言えば色である。ウェアや食品など色が重視される作業においては、色が正しく表現できることが重要である。色を正しく表現するには、ディスプレイのカラープロファイル、色温度などの設定を行い、加えてキャリブレーションも行わなければならない。そのため、これらの設定が行えるディスプレイが必要となる。とくにレタッチ作業において色調補正を行う場合は必須である。ディスプレイについては、キャリブレーションセンサーおよびAdobe sRGBがサポートされているもの、非光沢タイプを選ぶとよい。これらのディスプレイは一般的なものと較べると高価だが必要なものといえる。
また、プリントアウトや撮影をする場合は照明も重要な要素となる。照明の明るさや色温度によって、色が異なるからである。照明については、色温度5000K、色評価用(演色性Ra95以上または演色AAA)を選ぶ必要がある。ただ、一般的に電気店では入手しにくいのが難点である。照明は、できれば天井に設置するものが望ましいが、無理にしなくともスタンドタイプでもよい。
色指定では、カラーチップがあるといいだろう。東洋や大日本印刷、パントーンといった印刷向けのカラーチップだが、Webデザインにおいて、デジタル原稿として渡す場合でも、プリントアウトしたものにカラーチップをつけてきちんと色指定をしておくと、デジタル原稿のみと較べて色ミスがおこらない。色ミスは、デジタル原稿のみの場合、色を指定しなければスポイト機能で色を取得することになると思われる。そうすると、デザイナーが思った色と完成品の色に差ができてしまう。デザイナーからみれば?となりかねない。そのためにきちんと色指定しておく。まあ、これは常識だろう。
印刷する場合は、プリンターが必要となる。インクジェット、レーザーどちらでも構わないが、複合機がいろいろと便利である。なお、インクジェットプリンタを選択する場合、インクタンクが各色で独立しており、タンク容量が大きいこと、ランニングコストが低いこと。このあたりを考えて決めるとよい。価格的には3万から4万円台になるだろう。気をつけたいのは、数千円といった格安のものは避けるということだ。スペック的におすすめできない。
不快に思われる方もおられるかもしれないが、ディスプレイや照明等に配慮できなければ、デザイナーと名乗るべきではないと考える。ただ、デザイナーとして勉強しようとする方がいきなり揃えるのは、かなり負担になるかもしれないが、プロとして活動を考えているのであれば、ぜひ揃えておくといいだろう。