Linux Mint 21 – QT Creatorをいんすとーるしてみた

QT CreatorはC/C++によるコンソール、GUIアプリケーションを開発できるツールだ。Microsoft Visual Studioに近いアプリケーションである。Linux Mintのソフトウェアの管理からインストールできるが、プロジェクトファイルさえ作成できなかった。キットの選択がグレーになっているのである。設定すればよかったのかもしれないが、面倒だったのでそうそうに諦めた。


インストール

諦めたら、そこで終わりだ。自分のお尻に火をつけ、それで、Qtの公式サイトからオープンソース版をダウンロードしてインストールしてみた。

Qt公式のダウンロードサイト

ここからダウンロードすると、qt-unified-linux-x64-4.4.1-online.runというファイルがダウンロードされる。パーミッションの設定で、「プログラムとして実行可能(E)」にチェックを入れて、ダブルクリックしてインストールする。なお、インストールする際は、事前にQtのサイトでアカウントを登録しておく必要がある。

基本的に、[次へ]をクリックしてインストールしていけばよい。インストールフォルダの選択では、カスタムインストールのままでよい。

インストール先を決める

コンポーネントの選択もデフォルトのままで[次へ(N)]をクリックする。あとは、インストールが終了するのを待てばよい。気をつけたいのはコンポーネントの選択で、あれこれとチェック入れてしまうと、インストールサイズがかなり大きくなってしまうので気をつけよう。必要になったらあとからでも追加できる。

インストールしたフォルダは/home/<ユーザー名>/Qtになる。


実行

実行してみよう。

インストールして実行した画面

簡単なデスクトップアプリの作成

とりあえず、ボタンをクリックすると、「Hello, World!」と表示するだけのデスクトップアプリを作ってみよう。まず、[Create Project…]をクリックして、プロジェクトを作成する。

プロジェクトのテンプレートを選択する

このまま[Choose…]をクリックする。

プロジェクトフォルダとファイル名を入力する。任意の場所でよい。

プロジェクトの保存先を入力する

ビルドシステムは、とりあえずデフォルトのままにしておく。問題は、次の「キットの選択」である。本来なら、デフォルトで「デスクトップ」にチェックが入っているはずなのだが、有効になっていないのである。

キットの選択ができない状態

ここは一度キャンセルしよう。


コンポーネントの追加

Qtフォルダにある「MaintenanceTool」を実行する。

コンポーネントの追加

「設定 – Qt」で[コンポーネントの追加または削除]が選択されていることを確認して、[次へ(N)>]をクリックする。


「コンポーネントの選択」では、「Qt 6.3.1」を展開して、[Desktop gcc 64-bit]のみチェックを入れて、[次へ(N)>]をクリックする。

必要なコンポーネントを選択する

最後に[更新]をクリックすればよい。


再度、プロジェクトを作成すれば、「キットの選択」で以下のようになっているはずである。

キットの選択が可能になった状態

そのまま、[次へ(N)>]をクリックする。最後は[完了(E)]をクリックすれば、プロジェクトが作成される。なお、「キットの選択」の前に「Translation」があるが、とりあえず「Japanese」を選択しておこう。


無事にプロジェクトが作成できた

ライブラリのインストール

このままでは、[ビルド(B)]→[実行]しようとすると、下記のメッセージが表示されてビルドできないことがある。

/usr/bin/ld: cannot find -lGL: no such file or directory

これは必要なライブラリファイルが抜けているからだ。その場合は、以下のコマンドでインストールする。

sudo apt install libgl-dev
sudo ldconfig

続くよ

長くなってしまったので、簡単なデスクトップアプリの作成は、次回に持ち越す。

Qt Creatorのインストールを調べると、現状ではできない記事があるので、注意しよう。たとえば、sudo apt install qt5-defaultといったことが書かれている。残念ながらLinux Mint 21ではリポジトリにはない。たとえ、インストールしてもきちんと動作するかどうかわからないし、記事も古いのでやめておいたほうがいいだろう。