Linux ディストリビューションを選ぶ3つの条件
Linuxにはさまざまなディストリビューションがある。どれだけあるのかわからないが、少なくとも100を超えているはずである。これはDistroWatch.comというサイトがあり、このサイトではLinuxのアップデートやリリース、パッケージなどといった情報を得ることができるサイトである。
このサイトの中でページヒットランキングがあり、どのディストリビューションのページヒット数やビュー数といったことをベースにランキングがつけられている。いわば人気ランキングのひとつとなっている。ランク100位までが表示されており、すくなくとも100のディストリビューションがあることがわかる。まあ、ランク外を考慮すれば100ではすまないだろうが。
さて、これだけあるディストリビューションから、どれを選択するかということになろう。たいていは、Ubuntuだったり、Ubuntuだったりする。たぶん、なぜUbuntu選んだのかといっても特に理由はないのかもしれないし、単に人気だからということかもしれない。まあ、それはそれで結構だと思う。情報も多いからね。
ディストリビューション選択する3つの条件
ディストリビューションを選択する上で、必要な条件を3つあげる。よく重い軽いディストリビューションといってメモリの消費量をベースで紹介している記事を見かける。それも選択の条件のひとつではある。しかし、ここではその選択条件入れない。なぜならLinuxのデスクトップ環境を利用するには、最低4GBのメモリは必要だからだ。ディストリビューションの多くは、最低要件としてメモリ2GBをあげており、推奨は4GBである。Linuxを利用するなら推奨条件はクリアしておく必要がある。もちろん、2GBでもインストールできないというわけではない。
2GBでも一応運用可能ではあるが、それはAlimaLinuxやDebian Server、Ubuntu Serverなどのディストリビューションに限られる。あくまでも最低要件であり、デスクストップ環境を導入しないという条件である。基本CUI操作である。デスクトップ環境ではインストール時に最低要件はクリアしていても、ブラウザを起動したり、あれやこれやとアプリケーションを起動してたり、自動起動アプリが多いとメモリの消費量が増える。場合によっては2GBを超えてしまうこともある。なので、インストールできるということと、利用することと切り離して考えるべきであろう。
メモリに関して補足すれば、Linuxで3DCGや動画編集を考えると4GBでは不足する。最低は16GBは必要だが、それらを行わないということでいっている。
さて、3つの条件について述べる。
- 日本語化
- 情報量
- デスクトップ
これら3つの条件はとくに説明しなくてもわかるだろうが、簡単に述べておく。
日本語化
どれだけ日本語化されているかということである。国内で使用する以上、これは避けられない。Linuxのディストリビューションのほとんどが海外製であるということを考えると、完全に日本語化されているということは少ない。日本語化されているものの、あちこち英語になっていることが多い。それでも日本語にローカライズされているのは、その後の運用につながる。
だが、ディストリビューションによっては、インストーラーは日本語であっても、インストールしたら英語だったということはある。そこから設定で日本語化していくわけだが、ハードルが上がってしまう。中にはその設定が英語だったら、もはやどうしたらいいのかわからなくなるだろう。
また、日本語キーボードを正しく認識してくれないディストリビューションもある。USキーボードとしては認識してくれる。そのため、あるキーが入力できなかったりする。とうぜん、日本語入力もできない。解決策はあるが、なかなか大変ではある。
なお、日本語へのローカライズが高いディストリビューションとして、AlterLinux(国内開発)、Linux Mint、Ubuntu ReMixである。もちろん、他にもあるだろうが知る限りはこの3つといってよい。英語が基本かもしれないが、やはり日本語化されていると、使いやすいのである。
情報量
Linuxを使用する上であれやこれをしたいということになると、調べる必要が出てくる。問題が発生した場合でも情報が多ければ解決しやすい。ただ、意外と情報が少し古かったりするのは残念ではある。それでも情報が少ないより多いほうがよい。基本的に使用しているディストリビューションで検索するかもしれないが、派生ディストリビューションであれば派生元のディストリビューションで検索したほうが見つかることが多い。たとえば、elementary OSというディストリビューションがある。Ubuntuをベースにしたディストリビューションなので、Ubuntuで検索して情報を探すということである。共有する部分も多いので一つの手ではある。
デスクトップ
Windowsのように、スイッチ・オン・ユースが必要なことである。もちろん、LinuxをプリインストールしているPCもあるが、基本インストール作業が必要である。そしてインストール後はすぐに利用が可能であることということだ。すぐに利用可能というのは、必要なアプリケーションがプリインストールされており、新たに導入しなくてもよいということを指している。
アクセサリーやユーティリティ、システム関連のアプリといったものは、インストール後の使いやすさに影響してくる。これらはできるだけインストールしなくてもよい環境になっているのがベストではある。設定を変更するために必要なアプリをインストールすのは考えものであろう。このあたりをクリアしているディストリビューションも多い。Linux Mint、Linux Lite、Pop!_OS、Zorin OSなどである。
最後に
WindowsやMacはディストリビューションとして考えた場合、ひとつしかなく、選択するということがないOSであるが、Linuxは多くのディストリビューションがあり、選択肢の多いOSである。実際はどのディストリビューションを選択しても構わない。システム要件的に現在発売されているPCであれば全く問題がない。古いPCにLinuxをインストールする場合でも、メモリ4GBあれば同じである。
今まで述べてきたことはあくまでも個人的な考えなので、一般的なことにあてはまらないかもしれないが、少なくともディストリビューション選びのひとつとなれば幸いではある。なお、記事中でいくつかディストリビューションを挙げたが、あくまでも例であり、おすすめしているわけではないことを申し上げておく。
長寿と繁栄、そしてよいLinuxライフを。