三種の神器は必要なのか?
Webデザインを目指すなら、必須といわれるAdobe三種の神器、Photoshop、Illustrator、XD。今回は、本当に必要なの?ということを提起してみたい。
なぜ、こう考えたかというと、当たり前のようなことが本当に当たり前のことなのか?ということ、それと、なぜみんな使っているのだろうと考えたからでもある。なぜ、みんな使っているの?と言われても多分、こう答えるしかないのだろうと思う。
必要だし、みんな使ってるから。
Web制作会社や自社のWebサイトを制作・運営・保守している会社は、Photoshopなり、Illustratorを使っているだろう。さすがに、XDは自社のWebサイトを制作・運営・保守している会社で所持している会社は、非常に少ないと思うが。所持していてもPhotoshopが多いかなと思う。
さて、三種の神器はもはやWeb業界ではデファクトスタンダートとして確立している。そんな三種の神器は、本当に必要なのかということを考えてみたい。まず必要なケースはどういったときか考えてみよう。個人的には、次のケースがそれに相当すると思われる。
- Web制作会社への入社を目指している
- Web制作会社の下請けである
- フリーランスでWeb制作会社から仕事を請け負っている(直接・間接)
いずれもWeb制作会社に直接なり間接的に関係を持つもしくは持っているケースだろう。このほかには、自社のWebサイトを制作・運営・保守している会社から依頼されたケースも含まれると思う。では、必要としないケースはあるのだろうか。条件に当てはまるケースは、このケースのみだと考える。
- 会社・店などのクライアントから直接依頼を受ける
本来ならクライアントとWeb制作会社の関係になるが、このケースではクライアントと個人の関係になる。フリーランスとして営業努力を重ねていき、クライントと個人の関係で仕事を続けていくのであれば、三種の神器でなくとも問題ないと思う。渡された資料がPhotoshopやIllustratorで作成されたものがあるかもしれないが、制作においてファイル形式を扱えるのであれば、問題ないはずである。もちろん原本を編集してしまうことはしないと思うが。それに、完成したものがどういう過程で何を使って制作されたかどうかはクライアントは気にしないのである。あくまでも完成すればいい話なのである。
では、代替えとなるソフトウェアはなにか?考えられるのは次のソフトウェアおよびサービスである。
- Photoshop → GIMP
- Illustrator → Inkscape
- XD → Figma
GIMP、Inkscapeはオープンソースのソフトウェアである。いずれも聞いたことがあるだろう。GIMPはPSD形式のファイルを編集することができるPhotoshopに劣らない高機能なソフトウェアである。InkscapeはIllustratorのバージョンに制限される(9.0以上)もののAI形式のファイルを編集することが可能である。両ソフトウェアともWebデザインにおいては、ひけをとることはないだろう。このほかにもKritaというイラストを描くツールがある。
これらのソフトウェアは、多くのプログラマーやユーザーに支えられ、日々開発が続けられている。今やメーカーが作ったソフトウェアだから安心。フリーだから不安という考えを持つ時期ではないと考える。よいソフトウェアはどんどん使われていくべきである。もちろん有料・フリーにかかわらずである。なお、無料と言わないのは、厳密に言えば強制ではないものの寄付で成り立っているからである。
今回の提起についてありえないという方もおられるだろう。それは構わない。どのソフトウェアを使おうが、その人の自由だからだ。だが、ありえないことかもしれないが、ひとつ、考えるキッカケになれば幸いである。当たり前のようなことが本当に当たり前なことなのか。
最後にAdobeに対して一言いって終わる。
よくもFireworksを潰してくれましたね。