温故知新1 – ロジャー・ブラックのWebデザイン・ブック
今回は短めで行く。
手元に1冊の書籍がある。24年前に出版されたものだ。タイトルは「ロジャー・ブラックのWebデザイン・ブック」となっている。じじぃがWebデザインに関心を持った書籍でもある。Webデザイン・ブックとなっているが技術書ではない。Webデザインについて語られる内容となっている。
24年前なので、古すぎるだろうと思うかもしれない。たしかにそういう部分はあるが、原点とする考え方は、技術が進歩した現在でも変わらない。個人的な考え方だが、技術が進歩した現在は、さまざまな技術に溺れすぎているのではないかと考える。技術は良い方向に使えば効果を発揮するが、悪い方向だと逆効果となってしまう。
もし、書籍を入手することができるのであれば、読んでいただきたい。内容は古くとも現在にとっては新しいことなのである。過去がすべて良いとは言わない。だが、過去の技術を基礎として、現在の技術が成り立っているのではないだろうか。そういったことを忘れ、目新しいものばかりを追いかける。悪いこととは言わないが、やはり何か欠けているような気がしてならない。
ひとつおもしろいと思ったことを紹介しよう。
「What Not to Do on the Web」この意味は、Web上の御法度である。ここでは、次のように書かれている。
75%の人が折った新聞の上半分を見ないように、ほとんどの人はスクロールしてまで見ない。
「ロジャー・ブラックのWebデザイン・ブック」P.53より引用
御法度のルールNo.5として、スクロールさせるなとも書かれている。これは、企業サイトについて述べられているのであって、ブログなどは、ルールから外れると思われる。確かに、こういったサイトは増えていっている。そして最後までスクロールしてまで見ない。必要な情報は最初に表示されるページに集約させるべきであり、スクロールしてまで見せなければならないものではない。スクロールさせたとしてもせいぜい3ページ分くらいなものであろう。
最後に、「The Ten Rules of Design」から10の法則(P.29からP.45までタイトルのみ引用)を紹介して終わる。各法則の解説については、実際に書籍を読んでいただきたい。
- コンテンツをどのページに入れること
- 最初の色は白
- 次の色は黒
- 第3の色は赤
- 小文字の間隔を広げるな
- 本文の文字をやたらと大文字にしてはならない
- 表紙はポスターであるべきだ
- 1書体か2書体に絞れ
- 肝心な物はできるだけ大きく見せろ
- メリハリをつけろ
「ロジャー・ブラックのWebデザイン・ブック」はWeb制作を志すものであれば、入手困難かもしれないが、ぜひ読んでほしい書籍である。技術書ばかり読むのもいいが、この書籍のように原点にたって述べられているものはまず見かけない。貴重な1冊であろう。